メンテナンス・ノート

 

「富士山噴火に備える」富士山ハザードマップが17年振りに改定、その改訂ポイントは3つ

12月3日、未明から朝方にかけて3度地震がありました、震源地は東部・富士五湖

 

震度5弱です。

 

幸い大きな災害などは無かったようですが、ネットで地震についての情報を

 

探していると、 目につくのは「富士山の噴火」という言葉

 

気象庁は「富士山噴火と直接関係ない」と発表しました、しかしさまざまな憶測が

 

飛び交いました。

 

そこで富士山の噴火に備える事の1つとして富士山のハザードマップの確認。

 

この度、富士山ハザードマップが新たに改訂されました、前回が作られ発表されたのが

 

平成16年6月です

 

それから17年間の間に行った調査や研究、状況確認などによって得られた

 

事を反映させるための改訂です、ポイントは3つ

 

 改訂のポイント

1、噴火が想定される火口がある場所の範囲が広くなった

2004年のハザードマップ初版の作成時には過去3200年間に噴火が発生した火口を調

べたのに対し今回は5600年前までさかのぼり調査をしたことで、新たな火口が発見

された為、想定される噴火口がある範囲が広がった。

 

市街地からそれほど遠くないところにも噴火口が見つかり、そこで噴火した場合、

富士吉田市では最短2時間で溶岩流が病院などがある市街地に到達する可能性がある。

 

 

2,噴出する溶岩の量が2004年の想定より、はるかに多くなった

 

想定される溶岩の噴出量が7億立方メートルから13億立方メートルへと2倍になった。

理由としては、今までは宝永噴火(1707年)を想定の参考にしていた、今回は

より大規模な噴火がおきた貞観噴火(864~866年)に変更した為、噴出する溶岩量が

前回の想定より多くなったとのこと。

 

貞観噴火は麓の地形を変えるほど大規模で、その時流れた溶岩は「青木ヶ原溶岩」

呼ばれ、その上に森林が発達し青木ヶ原樹海が出来上がりました。

静岡大学防災総合センターホームページより引用

 

3,噴出量の増加で、より広範囲まで溶岩流が到達し速度も速くなる可能性がある

 

溶岩流が到達する地域は従来、静岡県山梨県の2県15市町村とされていたが、神奈川を含む3県27市町村へ拡大された。

 

溶岩流の増加と共に、火砕流も2004年の想定240万㎥から1,000万㎥に変更され

今まで被害が想定されていなかった地域でも被災する可能性があります

 

今回の改定では被害が以前より広範囲に及ぶ可能性があるという事です。

 

※火災流は時速100kmに達する事もあり、発生してから避難しても

間に合わない可能性があります。

 

 

 

ハザードマップの読み取り方

 

では、このハザードマップをどう読むか考えていきます

 

火山ハザードマップは、避難計画を作る時に活用できるよう作られいるようです

 

その構成はドリルマップ可能性マップから作られおり

 

ドリルマップは任意に設定した始点(火口)から噴火した場合のシュミレーション結果

が描いてあります

例)図1は中規模噴火を想定し、任意に設定した始点の一覧図です 

  M1~M91まで 91カ所を始点としています。

  図2がドリルマップです、例としてM2地点から噴火が起きた場合の溶岩流の

  流れ方や到達時間をシュミレーションした結果です。

 

図1

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図2

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可能性マップはすべてのドリルマップを一つに重ねてまとめた物です

 

溶岩流の到着時間を色分けして

可能性マップ

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可能性マップはドリルマップを重ねてまとめた物です、ですので一度の噴火で同じ

色で表示されたすべての場所に溶岩流が到達する危険になるわけではないです。

 

重要な事は噴火口が出来る位置によって変わるという事。

 

 

このドリルマップは噴火時想定される火山現象ごとに作成され

※例は溶岩流のドリルマップを使用してます

 

山梨県のホームページなどで簡単に観覧でき、動画での説明もあります

 

まとめ

17年ぶりに改訂されたハザードマップ、改訂ポイントは3つですがそのどれもが

 

前回想定より広範囲になり、溶岩流の量もはるかに多くなるとの事です

 

我が町では噴火口に位置によっては2時間程度で病院などがある市街地に到達する

 

予想も出ています

 

果たして病院に沢山の人々がいる時に全員が避難するのにどの位の時間がかかるので

 

しょうか ましてや支援が無いと避難できない人たちが多くいる病院でそこから

 

どこまで避難する事ができるのでしょうか

 

以前、市役所安全対策課の職員の方とお話をした際に市立病院からの避難は大きな

 

課題だとおっしゃっておりました

 

確実に病院スタッフだけでは避難できないでしょう、噴火の際偶然そこに居合わせる

 

可能性もあります、

 

そう考えた時、ハザードマップを簡単にでも目を通す事は防災につながるのでは

 

ないでしょう。