利用者を乗せて押すだけでのイメージがある車いすの介助、ほとんどの場合は
それで問題なく出来ますが
もし、その車いすがメンテナンスされてなく
壊れていたら
車いすを安全に使用する為の知識として、使用する前にその車いすが安全に使用できるものか判断する為の日常点検についてお話いたします。
今回は介助者用ブレーキについて3つ解説していきます。
- 介助者用ブレーキとは何か、操作方法はどうするのか
- 介助者用ブレーキの点検方法
- 介助者用ブレーキに不具合がある場合、どんな危険があるのか
介助者用ブレーキとは何か、操作方法はどうするのか
車いすの介助用ブレーキとは車いすを介助する人(押す人)が車いすのスピードを調整する為のブレーキで、
操作方法は、手押しハンドルに左右一つずつあるレバーを両手で同時に握る事で
ブレーキを掛ける事が出来、ブレーキの強弱は自転車と同じ要領で握る強さによって
調節する事が出来ます
ただ、自転車は前後にタイヤ、車椅子は左右にタイヤが装着されている点に違いがあり
ブレーキの操作については左側は左車輪用、右は右車輪用となり左右独立しております
※自転車は右側が前輪、左側が後輪用
この点が後の不具合時の説明で重要になるので頭の片隅に置いてください。
介助者用ブレーキの点検方法
ブレーキがしっかりと効くか
左右のブレーキの効き具合に差が無いか確認する
ない、効き始めるタイミングが違う
このような操作具合になっていないか点検する
※効き始めに多少差があっても両車輪ともにしっかりと止まるようであれば
利用することはできますが、注意しながら使用し、早めに調整等を行ってください
レバーが戻りブレーキが解除されるか
ブレーキが効きっぱなしなっていないか点検、案外見落としがちになる項目です
常にブレーキが効いている状態で使用するとブレーキの破損につながる危険があると同時に、片側だけ少し効いている状態ですと車いすが真っすぐ走らない、とても操作が重たい、などなど動かしにくい車椅子になってしまい最悪の場合は転倒事故などにつながる可能性もあります。
介助者用ブレーキに不具合がある場合、どんな危険があるのか
介助者用ブレーキが効かない
坂道やスロープを下る時にスピード調整が出来ないので、介助に慣れていない方には
大変危険です。
※ただ自走式車椅子のように介助者用ブレーキがついてない物も存在します、それと同様の使い方であれば問題なく利用する事も出来ます
介助者用ブレーキの効き具合に左右差がある、左右で効き具合が違う
「片側の車輪だけ止まり、もう片方は回っている」 これ自走式車いすを
漕いでいるときに方向転換する方法と同じですよね
なので効いているブレーキ側に車体が旋回してしまいます
この状態で下り坂を下っているときに操作した場合、車体が急旋回し、車いすとそれを押している介助者共々、転倒してしまう可能性があり大変危険です
※参考までに
自転車の場合は左右差があっても問題なくブレーキを使う事ができます、これは車輪が
同じ軸上にある為に、両方のブレーキの効き具合が合わさり1つのブレーキ力として働きます
その一方車椅子はというと、車輪が横並びになっているので効き具合が同じ時は
両方のブレーキの効き具合が合わさりますが、効き具合に差がある場合、またはどちらか片方が効かない場合は、
効く方の車輪は止まろうとしますが、効かない方の車輪は進もうとします、その為止まった車輪を中心に車いすは旋回してしまいます。
介助者用ブレーキが戻らない、戻りが悪い、ブレーキが効きっぱなし
ブレーキが戻らない効きっぱなし状態ですと、操作しずらい車椅子になってしまい
介助者に大きな負担が掛かりますし、最悪は走行不能状態になります
また、坂道を下っている時に戻らなくなってしまった場合には、先ほどの左右差の時と
同様の状態になる事も考えられます。
最後に
これを防ぐ為には
使用前にブレーキの効き具合をの確認
定期的に車いすをメンテナンスする
修理・メンテナンスはしっかりとした知識がある人が行う
毎日使用していると慣れで点検等しないでしようしてしまう事があるとは思います
施設などでメンテナンスプランを立てて、事故を減らしていきましょう。