メンテナンス・ノート

 

車椅子のブレーキが効かない,市内施設から修理依頼です

先日のことです、市内施設様からブレーキが効かないので見てもらいたいと

 

依頼がありましたので伺ってきました。

 

以前にも修理していただいた利用者様の物という事

 

その時の車椅子は松永製作所製のオアシスシリーズ、

 

フットブレーキ(ドラロック)が使えないとの事で修理した記憶がある

 

なので今回もそのつもりでパーツリストを見ながら事前に準備をすすめていきました

 

emigoⅡ

 

行ってびっくり車種が変わっている、それもまだ新しい、さらに軽い

 

こんなに新しいのにもう壊れてしまったのか、 そんな疑問さえ浮かんでくる

 

簡単にこの車椅子の概要を説明します

 

カナヤママシナリー(株)製の「エミーゴ2」

 

利用者の様々な体型・姿勢に対応できる

ティルト・リクライニング式の車椅子です

 

車椅子での生活時間の長い要介護者や高齢の方のために、様々な体型・姿勢にフィットさせやすくしました。円背で食事介助が必須の方や、座っているあいだに傾いてしまう方などに適した車椅子です。
長時間の利用による姿勢のくずれを防ぎ、安定した座位を維持できる車いすです。

 ※メーカーホームページから引用

kanayama-m.com

 

 

介助しやすいようタックルブレーキと連動したフットブレーキが付いています

 

これ、介助するひとにとっては非常に便利な装置

 

それとアームレストの跳ね上げまたは高さ調整機能

 

これによって介助者の労力が軽減されます。

 

依頼内容はブレーキが効かない

 

ではさっそく現状確認、介助用ブレーキを握っても右側が全く効かない

 

フットブレーキも右側がしっかりと掛からない

 

左側は介助ブレーキは正常、フットブレーキはしっかり掛かるようだ

 

作動時の音が「ガッチャン、ガッチャン」と大きい

 

ちなみに左タックルブレーキのレバーは折れてしまっている

 

とても購入して半年程度とは思えない

 

効かない原因は

 

介助ブレーキはタックルブレーキと連動しており、握るとタックルブレーキが

 

作動するタイプ

 

握ってもタックルブレーキが捻じれて上手く作動しない、

 

フットブレーキも同じく力が上手く伝わらない。

 

グリスアップと調整でなんとかなると思ったやさき

 

 

フットブレーキが何かおかしい!!

 

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矢印部分の溶接が剥がれている

 

取り外し見ると

 

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見事に真っ二つ

 

原因は強い力を掛けた事、これは部品を交換します

 

で、大切なのがここから

 

なぜ強い力でレバーを操作する必要があったのか

 

 ここを考えてクリアしないとまた半年後、もしくは数か月・数週間で

 

同じ事が起きる可能性がある

 

 

このフットブレーキはタックルブレーキに連動しています

 

そう、タックルブレーキ(駐車ブレーキが)の動きが悪いから

 

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強くフットブレーキを踏む、操作する必要があった

 

最初の原因はタックルブレーキという事です、その時に気づく事が出来たら

 

ここまでにはならなかったのかもしれません

 

あらためて、定期的な点検が必要なきがしました。

 

今回の修理内容

 

右タックルブレーキとフットブレーキセット

 

左タックルブレーキ   を交換  あとはブレーキ調整そして使う前にグリスアップ