メンテナンス・ノート

 

施設内でも出来る車椅子メンテナンス、各部にグリス(油)を注しましょう

f:id:kashiwagi_wheelchair2:20210316172025j:plain

車椅子を末永く快適に使用するためのメンテナンス、今回は各部をグリスアップ

 

(油を注す)をしていきましょう

 

 

 

先ずはグリス(油)とは何か考えていきます

 

グリスまたはグリースは簡単に言うとクリーム状の油です、スムーズに滑らせたい

 

部分に塗る油です。

 

例えば  引き戸の滑りが悪く重い時、レールにろうそくを擦りつけます

すると引き戸の滑りが良くなり戸が軽くなります

 

 ろうの成分パラフィンが引き戸とレールの間に入り層が出来ます、その上を引き戸が

 

滑る様に動くことで戸の開け閉めが軽くなる。

 

グリスも同じく金属同士、またはプラスチックと金属など動く部分の間に入り

 

層となりスムーズに動くよう手助けをしてくれます。

 

 

 

車椅子ではどこにグリスアップをするか

 

それでは本題です、車椅子のグリスアップ箇所

 

取り扱い説明書にはグリスアップの方法や箇所は載っておりません

 

「困った時は」の欄に異音がする等で載っていますが

 

「お買い上げの販売店に修理依頼してください」になっています

 

利用者は極力触らないでください、という事ですね。

 

ただ、施設などでは独自にメンテナンスをしているのが現状です

 

ここでは、私自身の経験上グリスアップした方がいい箇所を紹介します

 

車椅子の車種でグリスアップ箇所も変わりますのでその点はご自身の

 

判断で作業してください。

 

基本は動かす時に部品が擦れる部分にグリスを塗ります

 

特に動かす時に力が加わるところ、今回は分解をしないで施設でも簡単に

 

出来るところを説明します

 

使うグリスはスプレータイプの物、簡単にシュっと一吹き出来て便利です

※使うグリスの種類については、別の機会で説明いたします

 

ブレーキのリンクやジョイント

 

f:id:kashiwagi_wheelchair2:20210315182715p:plain

f:id:kashiwagi_wheelchair2:20210315183130p:plain

※カバーが付いているタイプのブレーキは中を覗いて見えるようならグリスアップする

見えない時は行わない

 

アームレストの跳ね上げ機能のロックレバーと背折れジョイントのロックレバー

開閉式フットサポートのロックレバー、回転軸

  

f:id:kashiwagi_wheelchair2:20210316163350p:plain

 

介助用ブレーキのレバーとワイヤー

 

f:id:kashiwagi_wheelchair2:20210316164300p:plain

 

クロスフレームのジョイント部分

 

f:id:kashiwagi_wheelchair2:20210316165029p:plain

 

赤色の矢印は車椅子を広げた時にクロスパイプを受ける部分

 

ここ荷重がかかるのでかなり削れます

 

出来ればグリスアップを

 

定期的にグリスアップする事で車椅子の劣化や故障を防ぐとともに

 

車椅子の異変、故障する前に気づく可能性が増える

 

ここが大切です。

 

最後に私が使用しているグリスはドライタイプのスプレー式グリスです

 

吹き付けた後ベタベタしないので車椅子にはピッタリ。

 

以上、グリスアップの説明でした。