車いす安全整備士の店長です
車椅子をメンテナンスする時に使用する工具、
工具も間違った使い方をすると壊れてしまいます、今回は壊れて開口部が広がってし
まったスパナ紹介したいと思います。
スパナとは
イギリス英語で、ボルトやナットを回し、締め付けや緩める為に使用する工具の
総称です。
ただ日本でスパナと言うと
先端が開いたこの形の物をさす事がほとんどでしょう。
サイズを表す時につかわれる言葉が「二面幅」ボルトのサイズに合ったスパナを
選ぶときはこの二面幅が同じ物を使用する必要があります。
用途と使用方法
使い方は、比較的大きな力を必要としないボルトやナットの締め付け、または
緩める時に使用します
車椅子をメンテナンスする際、ハンドリムの取り付けナットまたはボルト、
ブレーキワイヤの調整用ナットなど比較的小さい力で締め付ける物に使用します
車軸に使用されている大きめのナット・ボルトを緩める時や締めつけを行う時は
メガネレンチやソケットレンチを使用して安全に作業しましょう。
スパナを使って作業する時の注意点
スパナやレンチと言った工具でネジを締めた緩めたりするときは、身体の方に引っ張る
、手前側に引くようにして使うのが基本です。
でも、手前に引けない時もあるのでその時は手のひらで押すような形で作業しましょう
開口部が開いてしまったスパナ
さて、今回の本題です。
使用するスパナを選ぶときは、ボルトの頭やナットのサイズに合った二面幅の物を使用
する事が重要です。
しかしまれに、ちょうど合うサイズが見つからない時があります、
そのような場合は以下のような原因が考えられます
工具の精度が悪い
現在販売されているもので、サイズが合わないほど精度が悪い工具はあまり
見かけません。
ただ格安工具は一流メーカーの物より、一つ一つの商品のバラつきが多いので
使用する時は注意が必要です。
ボルトやナットの精度が悪い、腐食または角がなめてしまって丸くなっている
湿気や食べこぼしの放置でボルトなどが腐食（錆）で角が無くなる、または一回り
小さくなる、メンテナスの時に工具の掛け方が甘くボルトの角がナメてしまう。
室内で使用している物は濡れる事は少ないでしょう、ただ味噌汁などの食べこぼし、
車椅子に付着したホコリが吸い込んだ湿気、このような事でも長期間放置する事で
錆が発生し腐食する可能性がありますので定期的な清掃をしましょう。
突然の故障、施設内で修理対応する場合に焦らず作業しましょう、その際使用する
工具にも注意して作業する事で、ボルトをナメるまたは破損するリスクを減らせます、
心配な時は販売店や専門店にご相談ください。
工具が破損している（スパナの開口部が開いている）
新品で購入した工具では、まずない事ですが
中古で買った物やもらった物、施設や病院など昔から常備してあり
しっかりと管理されていない物などを使用する時は注意が必要です。
スパナの開口部が開く原因は、オーバートルク（力の掛けすぎ）または
工具を削るなど加工を加えて使用したものです
実際に開口部が開いた物です、見た目ではほとんど分かりません
上側が開口部が開いた物、下がKTCの新品のスパナ 見た目だけでは分かりません
実際に開口部を測定してみました
なんと、その差０．５㎜
二つのスパナを重ね合わせると、これだけ違います
これだけの誤差があると、実際にボルトに掛けるとガタつきが大きく
ボルトをナメてしまう危険があります。
まとめ（スパナ類の使い方）
工具も間違った使い方をすると破損し、自身がケガをしてしまったり
または修理する物を壊してしまうことにつながります。
最後に工具メーカーのKTCのホームページに工具の使い方の基礎が
ありましたのでご参考にしてください。
京都機械工具(KTC) スパナセット 8本組 TS208
